まずはミッドポイントを見つける。そこから第二幕を分割して、サブコンテクストを見つける。それから、ピンチを打って、小さいサブコンテクストを見つける。これが、パラダイムを発展させるために必要な手順だ。
工数は多くないが、この考え方が大切なのだ。全体を表すパラダイムに点を打って、線と線の間の空間を作る。そして、その空間に、何に関連した話題を入れるかを探す。これが文脈であり、文脈に関係したシーンを並べていくことで、物語はまとまりを持ち、形になる。まとまっていれば形になり、形になっていくのは誰だって楽しい。もっと書きたくなるよね。
インサイティング・インシンデントだって、やっているのは、こういうことだ。
『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』でインサイティング・インシデントをやった後、物語のサブコンテクストが、「ジョージィ探しを諦めないビルの姿を描く」に変わる。見せておくべき設定を回収しながら、サブコンテクストに沿って、物語が進んでいる。
「ここからここまで、何についての話をするのか?」これを知っていれば、シーンを割り振ることができる。あとは、狭い範囲の中で、個々のシーンを順番に並べていくだけだ。
第一幕にも、第三幕にも、パラダイム上のどこでだって、この考え方は応用できる。
超長編でも、パラダイムの規模が変わるだけだ。100万文字のWEB連載でも、1ページ目と最後のページを両端にしてパラダイムを書き、プロットポイントⅠ、Ⅱと、点を打っていく手順は変わらない。連載をどれだけ続けるかわからないなら、まずは基本のパラダイムだけでもいい。それは、俯瞰したGoogle mapだ。
次は、パラダイムに指を二本置いて拡大する。あとは、目下書きたい「○○編」のパラダイムがどうなっているか、書いてみればいい。○○編の集まりが、全体から見たプロットポイントⅠへ、繋がっている形を見つければ、後は、普通の長さの物語のパラダイムを、同じように書けばいいのだ。
ミッドポイントやピンチでやったように、パラダイム上に点を打つ。それから、「ここからここまで、何についての話をするのか?何についての話をすればいいのか?よし、その文脈について、自分の物語ではどんなシーンが生まれるだろうか?」と考える。場所は決まって、内容も決まっている。後は、そこに合致するシーンを考えるだけだ。
物語を構成するというのは、こういうことなんだ。それを理論立ててやると、こういう風になるのである。