ADVANCEステップ【長編小説の書き方:発展編】

ADVANCEステップ

1.1ADVANCEステップへようこそ!

ここからは、BASICで扱った内容をさらに発展させていく。けどなぜ、パラダイムを発展させなければならないのか?

端的に言ってしまえば、パラダイムを細分化すればするほど、「どこに、何を書くのか」が、場所、内容ともに、実際のシーンに近づく。オープニングからエンディングまでを割り算したのが三つの幕、それを割っていくと、そのうち、一番小さい、割り切れない単位、シーンになっていく。

自分の物語にどんな質問をすれば、「ああ、この物語はね、ここに○○なシーンを書いて、ここに○○のシーンを書くんだよ。え?そのシーンに行くまでの繋ぎがわからない?それはね……」と答えてくれるのだろうか? それをこれから、発展形のパラダイムを使って探っていくんだ。

2.1中盤を書く要を知る

中盤、第二幕は長い。ほんとに長い。尺にして、第一幕や第二幕の倍、全体のおよそ50%を占める部分だ。

ここで紹介する新しい概念と、それに付随する要素を使いこなすことが、長編を書くマスターキーとなる。

長い長い中盤、「何を書けばいいんだ!?」とならないために、自分の物語のどの部分を明確にしておけばいいのか、把握しておこう。

2.2「ここには何を書けばいいのか?」を知る方法

「繋ぎのシーンに何を書けばいいか?」や、「書きたいシーンをどこに配置すればいいか?」。こういった疑問は、長編を書く上でいつも悩みの種になる。けれど、それらに一発で応えてくれる道具があったとしたら?

今回紹介するものこそが「どこに、なにを書くか」の正体であり、これを知るためにぼくらは、パラダイムの階段を一歩づつ上ってきた。

この考え方を知れば、どこに何を書けばいいか、一気に視界が開けるよ。

2.3ピンチ≠危機

さて、次の新しい概念に行こう。今度は『ピンチ』について。前回はプロットポイントⅠ・Ⅱの中間点として、ミッドポイントを打った。これでかなりわかりやすくはなったけれど、せっかくだからもっと細分化してみようよ。

細分化すればするほど、パラダイムは実際の、個々のシーンに近づいていく。どんどんわかりやすくなっていくんだ。

ここをクリアすれば、長かった第二幕の「どこに、何を書けばいいか」は明白だ。「どんな繋ぎのシーンを書けばいいか」も、「使いたいシーンをどこに配置すればいいか」も、判断できるようになる。さぁ、やっていこう!

2.4空間と点に着目すれば「何を書けばいいか」わかる

パラダイム上に点を打つ。たったこれだけのことを大声で「大切だ! 大切だ!」と言っていたのは、ちゃんと理由がある。

「点」と「空間」、この2つこそが、構成の極意なんだ。発展したパラダイムに生まれた、新しい空間について学んで行こう。

3.1長編を書くためのマスターキー

ミッドポイント、サブコンテクスト、ピンチ。ADVANCEステップではこの3つを新しく学んだね。今回は、長編を完成させるためのマスターキーである「点と空間」に関する話だ。

パラダイムという見取り図の話からようやく、個々のシーンに繋がる話をしていける。

「繋ぎのシーン」も、「新しく思いついたシーン」も、「使いたかったけど場所が見つからないシーン」も、パラダイムを書けていれば怖くない。武器はもうある。その使い方を見ていこう。

3.2補足:「窮屈と不自由」こそ、構成で得たかったもの

創作において不自由や窮屈さというのは、良い印象がないと思う。けれど、目の前にあるのが「解くべき問題」だったら?

3択問題なら、少ない手掛かりでも十分に解くことができる。けれど選択肢が無限にあったら、検討することすらできない。選択肢に圧倒され、身動きが取れなくなってしまい、最後は書けなくなる。

選択肢を絞ることこそが、何かを決めていくためのステップだ。

4.1カットすべきシーンと、そうでないシーンを見分け方

この件についても触れておこう。「カットすべきシーン」と「カットしないべきシーン」は、どうやって見分ければいいのだろうか? それに関する、明確な基準というのはあるのだろうか?

創作ハウツーではよく「不要なシーンをカットせよ」と言われる。カットしてカットして。物語は洗練されていくと。

全く持ってその通りだ。だがその現象について、サブコンテクストを知ってもらえた今なら、きちんと根拠を以て説明することができる。

4.2起承転結の正体

ADVANCEステップを終え、ようやく、起承転結の正体を説明することができるようになった。

厄介な「承」と「転」の捉え方について、構成の視点から確認していこう。

4.3群像劇の取り扱い方

今回は、構成の視点から群像劇の取り扱いについてみていくよ。

この辺の話についても、できるようになったからね。群像劇の是非について見かけるたび、ほんとうにもどかしい気持ちを感じるんだけれど、文脈やサブコンテクストの概念をきちんと理解していない限り、ちゃんと説明するのは難しいんだ。

群像劇という形式を、構成の面から説明してみよう。

4.4超長編に三幕構成を適用しよう

「パラダイムは、90分や120分の映画、単行本一冊では使えるかもしれないけれど、10巻20巻とある小説や、漫画に使えるの?」

よくある疑問かもしれない。そして答えはYESだ。

4.5ADVANCEステップを終えて

ADVANCEステップを終えて、軽いまとめというか、総括を話しておくよ。

このステップでやったことそのものは多くない。けれど扱ったのは、重要なことばかりだ。ちょっとした挨拶だけれど、このステップを終えたあなたへのメッセージとして、目を通してほしいな。