ここまであなたに、2つの手法について学んでもらった。一つは三幕構成、もう一つはBS2。三幕構成の考え方をメインにパラダイムを書き、BS2を適宜、補助として使っていくわけだ。
ぼくは元々、構成の分野に弱い人間だったし、BS2の引き出しを持っていることは、パラダイムを書く上で大きく役に立っている。
けれど、それでも自分の物語がつかめないときはある。紙に書いた、埋まり切っていないパラダイムを眺めても、空白の残るパラダイムを穴が開くほど見つめても「なんだかしっくりこない」。自分の物語を理解するための、何か決定的なものが欠けている気がしてならない。そういう事はある。
そんな時、ぼくはパラダイムやBS2を、ある視点を基準にして考えるんだ。あまりに便利で強力だから、「まずはここから考える」というくらい、当たり前にここを考えてしまっている。
この視点に基づいた質問をすれば、パラダイムを書くのはぐっと楽になる。友達の物語のパラダイムをお昼を食べながら書くこともできるし、物語の内容を又聞きするだけで、パラダイムのアテをつけてしまうこともできる。
このステップでは、発展形のパラダイムと、ブレイク・スナイダー・ビート・シートを併用することを覚える。
パラダイムの発展と、サブコンテクストの概念を理解すること。この二つ長編を書くことのマスターキーだとしたら、この考え方は抜け道を歩くバックドアだ。ずるいけど、手っ取り早くて強力だよ。
とても効果的だし、今回の内容は、今までに比べるとずっと簡単だ。なんてったって、あなたがここまで頑張ってきた、積み重ねがあるからね。
肩の力を抜いて、前回の復習くらいに考えて、気楽に読み進めてほしい。