カードの全体枚数を把握した。次は、パラダイムとカードの架け橋となるポイントについて話そう。
56枚のカードの内、14枚目と21枚目と28枚目と35枚目と42枚目に書かれるシーンは、パラダイム上のどこを目安にすればいいか、フィールドは教えてくれている。
14枚目……プロットポイントⅠ
28枚目……ミッドポイント
42枚目……プロットポイントⅡ
こうだ。
ここにプラスして、ピンチⅠが21枚目、ピンチⅡが35枚目となる。
全体としてはこんな具合になる。
随分と、イメージしやすくなったんじゃないかな。
一つ断りを入れさせてもらうと、上の図の内、ピンチⅠ、Ⅱの場所について、フィールドは厳密な枚数の指定をしなかった。だから、ピンチⅠ、Ⅱの枚数については、ぼくが指定させてもらったものだ。
けど、サブコンテクストの中心的な出来事を、カード上でも真ん中に配置するというのは理にかなっていると思うし、実際、上手くいっている。
そしてこれらの枚数は、あくまで目安だ。ぼくが指定したピンチⅠ、Ⅱだけでなく、フィールドが指定した枚数もね。
この比率を厳密に守る必要はない。『アナと雪の女王』なんて、そもそも第三幕の比率が少ないしね。
フィールドも、「大切なのは形であって、枚数ではない」と言っている。それに、あなたが書くのは映画脚本ではなく小説だ。
でもやっぱり、目安があれば気分が楽だし、イメージしやすい。作業だって進めやすい。まずはこの目安に沿って、カードを書いていこう。
もし、「プロットポイントⅠが16枚目にきてしまった! どうしよう!」となっても大丈夫。この比率は役に立つが、あくまで目安でしかない。プロットポイントⅠが16枚目にきてしまったら、プロットポイントⅠを16番目に書くだけだ。大切なのは形で、枚数ではないんだ。スリムになるけれど、それが面白さやあなた自身の満足に繋がるかどうかは、また別の話である。
そりゃ、プロットポイントⅠが28枚目に来た……、というのなら、流石に、考え直したほうがいいと思うけれどね。
それでも物語は完成すると思うけれど、『ターミネーター2』でジョンがシュワルツネガーと口を利くまで1時間もかけていたら、文句の一つでも言いたくなると思うよ。
その場合は、「この物語のプロットポイントⅠは、本当にここなんだろうか?」と、疑ってみた方がいい(そういう時はおそらく高確率で、自身の物語にとってのピンチⅠやプロットポイントⅠを、ミッドポイントだと誤認している)。
プロットポイントⅠがミッドポイントにずれ込むパターンとして、『エイリアン2』や『バイオハザード』があったね。ここでやらかしている可能性があるから注意だ。あなたの物語に間違いはないが、あなたが認識を誤っていることはあり得る。あまりにも大きくずれていた時は、ここを疑ってみよう。